【体験談】養護教諭の教員採用試験ってどんな試験?試験の内容や合格率は?
養護教諭になるためには、毎年各自治体が実施している、教員採用試験に合格することが必要です。しかし、通常、養護教諭は学校に1人~数人のため、必然的に他の教員と比べると倍率が高く、合格を勝ち取るのは‘‘狭き門‘‘と言われています。本気で養護教諭を目指す人は、いち早く教員採用試験の特徴をつかみ、効率的に試験対策を行うが必要です。私は、新卒で複数自治体合格の経験がありますが、当時は試験についての情報が少なく困った経験がありました。私の実体験が誰かの役に立てば良いなと思い、この記事を書くことにしました。ぜひ最後までご覧ください。
教員採用試験って?
各自治体(都道府県および、主に政令指定都市)がそれぞれの設置、運営する学校
(公立学校)のために教員を採用する試験。これに受かってはじめて公立学校の養護教諭になることができます。
時期やスケジュール
自治体によって違いますが大まかにこのような流れが多いです。
ちなみに、試験の日程が被らなければ、複数の自治体を受験することができます!
試験の内容
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筆記試験
専門教養、教職教養、一般教養があります。
一般教養は行われていない自治体も多いですが、専門教養や教職教養はほぼすべての自治体で行われています。
専門教養とは、養護教諭であれば、いわゆる養護教諭に関する専門的な知識全般(学校保健、学校安全、環境衛生、身体のしくみ、感染症、救急処置等・・・)が出題範囲です。配点が高い場合が多く、これは最もウェイトをかけて対策すべきです。そしてここをしっかり押さえておかないと、実技試験や模擬授業などの出来にも大きく影響します。はじめに対策に取りかかることをおすすめします!
教職教養は、教育学や教育心理、教育に関連する法律などについての知識が幅広く聞かれます。校種(小学校か中学校か高校か)、教科に関係なくどの教職員も同じ問題を解きます。私は、3回生の秋頃始まった、大学の「教員採用試験対策講座」を受講して対策し、あとは自分では過去問をひたすら解くだけにして本番に挑みました。
【筆記試験の形式】
穴埋め、選択式やマーク式、記述式など、自治体によって本当に様々です。受ける自治体がどんな傾向なのか掴んでおくことがポイント!
選択式なら分からなくてもどれか選んでおけばいいですが(笑)正しい漢字が書けていないともちろん減点対象です!養護教諭の専門教養は難しい漢字もたくさんあるので、しっかり文字で書けるようにしておくことは必要ですね。
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面接試験
個人面接または集団面接があります。
個人面接は、受験者一人に対して、面接官複数人から質問されて答えるという、一般的な面接のイメージです。
集団面接は受験者数名(5~7名程度が一般的)対して面接官複数人で面接が行われます。何か質問があり、順番に端の人から答えていくパターンや、手を挙げた人から答えていくパターンなど様々です。集団面接になると、先に回答した人と意見が被らないようにするなど、ある程度柔軟な対応や対策が必要です。
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集団討論・グループワーク
集団討論やグループワークは、受験者数名(5~7名程度が一般的)が一つの組になって、出題される課題やテーマに対し、「協力してみんなで意見を出し合って、まとめたり作り上げたりしていく!」という感じの試験だと思ってください。その過程で、コミュニケーション能力や社会性、協調性、リーダーシップなどをこれも自治体によって大きく違います。
私は両方経験しましたが、集団討論は、司会を面接官が行うのか、受験者の中で司会を立てるのかでも雰囲気は違います。「司会をしたから」「たくさん発言をしたから」という人が得点が高くなるわけでもないそうです。周りの意見をふまえて発言することや、しっかり他の受験者の発言を聞いている姿勢も大切だと思います。
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実技試験
包帯法、食物アレルギー(アナフィラキシーショック)の対応、熱中症の対応、心肺蘇生などの救急処置を、実際に人形や試験官の方に対して行います。
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場面指導
主に生徒指導面を見る試験かなと思います。例えば、「自傷行為を行う中学生女子の対応」というテーマで、試験官の方が中学生女子になりきって声をかけてきます。それに対してどう対応(主に言葉かけや対話がメイン)していくかという内容でした。ロールプレイングのようにやりとりしました。
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模擬授業
テーマを与えられ、数分間で指導内容(授業内容)を考えて、実際に試験官を子どもに見立てて数分間指導や授業を行うという流れでした。私が受験した自治体は、黒板を使っても良かったです。時間が少ないので、最初の導入部分しかできないと思います。いかに筋道を立てて、最初に指導内容の構成を示すことできるのかが大切なのかと思います。私は、正直中身がぺらっぺらの授業になってしまいましたが、子どもとのやりとりや、目線の配り方、堂々とした態度に気を付けてなんとかやりきりました。
教員採用試験の難易度や合格率
「養護教諭は狭き門」と、母校の養護教諭に言われたことがあります。全体的に教員の採用倍率は低下傾向にあると言われていますが、養護教諭は学校に1人~数人の場合が多いため、必然的に倍率が高い!!少なくて4~5倍、多くて20倍以上の倍率の自治体もあり、全体的に見て他の教員と比べると倍率は高いといえます。また、養護教諭は受験者のレベルが全体的に高いと、教採対策講座の講師の方から聞いたことがあります(笑)
教員採用試験に受からなくても養護教諭になれる?
私立の学校の場合、募集があれば、教員採用試験を受けなくても養護教諭になることができます。しかし、その学校独自の採用試験を受ける場合があります。
また、公立学校の場合は、講師(臨時採用)として声がかかり、採用される場合があります。この場合も、教員採用試験に受からなくても、免許状があれば養護教諭として働くことができます。実際に、講師として現場で働きながら、毎年教員採用試験にチャレンジするという場合もたくさんあります。現場で働きながら試験対策をするのはとてもハードですが、現場経験をふまえた意見や考えが持てるのは、新卒者の人に比べて大きな強みと言えます。数年かかっても、どうしても養護教諭になりたい!という強い意志がある人は、講師として現場を経験しながら教員採用試験に毎年チャレンジするのがおすすめです。常勤講師(フルタイム)の場合、お給料やボーナスもほとんど変わりませんが、一年契約としている場合が多いです。一度講師として働いてみて、養護教諭が向いてないなと思ったら転職してもいいと思います。
最後に
養護教諭の教員採用試験の時期やスケジュール、どんな試験が実際に行われているのかをメインに紹介しました。養護教諭の教員採用試験の受験倍率は高いため、効率よくポイントを押さえた対策が必要です。それぞれの試験の対策のポイントについても、実際に体験したことを踏まえながら、記事にしていこうと思います。例え、一度の教員採用試験のチャレンジで不合格だったとしても、講師として現場経験を積みながら毎年教員採用試験にチャレンジすることもできるし、私立学校の養護教諭として働くという選択肢があることもお伝えしました。絶対に養護教諭になりたい!という思いがあれば、養護教諭になれるチャンスは十分あるので、その気持ちを大事にしてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。